太陽魔術                                                                               

太陽鋳型
<コメント>
冒頭は、本文とは直接関係の無いエピソードがら始まっています。
本文では、森羅万象は9(10)心型の組合わせから出来ているという発想から、
心型と色の関係に着目し、さらには太陽光と心型への関わりへと展開していきます。
拡大心は青と共鳴、守備心は赤と共鳴・・・・・・・。
感覚的には、なるほどと思うところもあるのですが、全体的には理解しがたい部分です。
好みの色と性格の関係などを考えて見ると面白いかも知れません。

長文ですが、原文の通りに載せました。
 男は.秋の朝のまだ陽のあがらぬうちに、田んぼみちをいそぐ。
役番で農事実行組合長の職をもたされて、農業委員選挙にまきこまれた。
男は、部落から候補を推選してしまツたが、本人が承諾しないので、長老に説得をたのみに行くのだ。
七十をこした長老は漢文口調で「自分の仕事に専念するもよし、しかしまた、要望にこたへるのも男の本懐でないかナ。家業ひとすじが、人生ではあるまい」と、あツさりと自信のほどをみせて、引受けてくれる。

長老の一言で、おもひどほりに立起をきめるだろうと、待ってゐると、承諾するとの、しらせがきた。
男は、つぎの作戦として、協力部落にをる現職のところへ、侯補といツしヨに、腹を割ッた話をしに、おうかがひした。

「わかり申した。
なん期も委員をかさねてゐると、馴れあひになったり、八百長になつたり、ダメなものですワ。
正当な意見でも、いつのまにやらボヤかされますネ。
新人が入るべきですヤ。
ようがす。
私は立たないで、できるかぎりの、お力になりス」
との確約をうけて激励される。
男は、勇み足になって作戦を縦横にとばした。

そんなあひだにも男には九心型の追究がすすんでゐる。
それは人の顔色にもうかがへることだツた。
家宝の老女が死したとき、肉体とゆふ雑をすてて、ワ行の 整理心の声をさけんで往生した死の相は灰色。
氷のようにすきとほった蒼白さ、とでも言へはしなかったろうか。
フト、人が恐しさからにげるときは、蒼白になる、と、ピンときた。
嫌なものからのがれる色だ。
百分だけの殼のなかへ引っこんでしまふ色だナ。
前進する力がもぎとられるのだ。
そしたら心体はどこへ行くのカ。
の元基へもどるほかない。
己へ戻る。
縮む、己だけにまとまる。
この顔色は、ワ行 整理心のさけびの色だ。
そうだ、にげる色。蒼ざめる色。
灰白色。
この色は、ワ行 整理心型が共鳴する色ではないカ。

「あツ」男のものおもひは、検照燈にてらし出されたような、心型と色の関係をつかみにかかった。
 
冬の空がうかんでくる。
灰色の雲がうかんでくる。
ブルブルふるへる血の気の引いた蒼ざめた顔がうかんでくる。
男は、まづ、こうむすびつけた。
ワ行 整理心型―灰白色と共鳴。
外をみると、田んぼが黄色にみのって波うツてゐる。
まてヨ、梅の実も、緑から黄へとうつツてくるころから、貯へがまとまってくるのではないかナ。
バナナもパイナップルも、黄色くしてたべるとおいしいし、ミカソもナシも、黄色づくと、あま味がでてくる、としたら、黄は貯入の色、うけいれる色、力行迎入心型の色、ともみえてくる。
男は、 心型を、貯入心ともみてきてゐた。

よろしい。こうあててをこう。
力行 迎入心型−黄色に共鳴。
梅の実も、黄色づくまへは緑だ。
野原が緑色のころは、栄養のだしいれさかん、新陳代謝のはげしい、分化のはげしい時季ではないかナ。
緑の旗をふる時代は若者ではないかナ。
まだ未熟時代、あれはなんだこれはなんだ、疑問の時代、批判分析はげしい年代。
ナ行の 分析心型は。緑と共鳴するとみえる。

よろしい。こうあててみる。
ナ行 分析心型−緑色に共鳴。

さて.堂々二コニコの. 心型(基本.完全、共存)の共鳴する色はなんだろうナ。
陽気な顔色だ。
健康の色だ。
病ひから回復へむかふ色、そうだ、手相の本に.健康.快活な人の血色は、桜色とある。
男は、まづ.サ行 原体心型−桜色に共鳴、とした。
あとで、これを赤外線.色としては.純白とする。

青雲の志、とゆふコトバがうかぶ。
人生いたるところに青山ありだ。
あを、は希望の色かな。
空のあを。
海のあを。
希望に胸がはずんでゐる時代が青年なのかナ。
空色や海の色に、希望がひろがるのだろうか。
希望をひろげる,八方へと心をひろげて行くのは,ハ行拡大心型であったが、そういへば、英語の青にハ行とみるEがある。
「BLUE(B )ひろがりが(L )左右につらなる」とでてくる。
やはり英語も、青を、希望の色とみえたのかナ。

こうしよう。
ハ行 拡大心型 青色に共鳴。

怒ったときの顔には赤味がのぼってくる。
ふんぱる、こらへる。
こんなときにも赤くなろう。
これは、力をおさへこむときの色だ。
抵抗する心のときだろう。
自分を守る心のときの色、 守備心型がはたらくときには、赤が共鳴してくる。
守りをすててにげると、この赤の守備心が引いていってしまツて、蒼白になるのかな。
赤旗とゆふのがあるが、これも 守備心の色とすれば外へ低抗する心をあらはすことになる。
女や子供や若者が,赤色をすきだとしたら、 守りの色と見える。

赤がつくと車をとめるが、 守備心型は、(動きをこらへる、力を内におさへる感情)としてきたから、赤がでてくると、こツちも、力をこらへる心になろう。
危険物を送るのに、赤印をつける。
これも, 心型の(なかを守る)心のあらはれとみえてくる。
これでよかろう。
マ行 守備心型−赤色に共鳴

そうすると、 守備心型の相性になる進取心型は、どんな色と共鳴しようかナ。
どうも、壮年時代は、橙系統をこのむとする比率がおほくはないヵ。
木の芽、枝の先の心型のあらはれのと
ころにも、橙系の色がおほく見えはしないかナ。
橙系統は、前進時代の色ではあるまいか。
こうしてみよう。
夕行進取心型−橙色に共鳴。

それでは、ヤ行の 集抱心型が共鳴する色、となったとき、この、 心型は(かかへる,集める、情熱の心)としてあったから、瞼だ、唇だ、陰唇だ。
この抱へこむはたらきのところは、紫色をだしてくるとおもへてくる。
だきかかへる心型のこころは、情欲につながるだろうナ。
性愛に熱中するほど,瞼のふちとか陰唇とかが、紫をおびるとよんだ気がする。
「恋の瞳が紫のほのほに燃えてゐた。」のような小説の文句をみつけたときは、しめた、とおもった。
だから、こうきめてをこう。
ヤ行 集抱心型−紫色に共鳴。
         
このほかに.どんな色があるかナ。
黒、黒字だ、となれば.スムースに仕事がつながった。
連絡がついた、とならうか。
赤字だ.と、いったら、 守備心型の心で(動きがとまった.おさへられた)となるのだろう。
黒い色は.冠婚葬祭.どっちへつけて行っても失礼とならないといはれよう。
黒い色は.社交の色となるだろう。
だから、ためらふことはあるまいナ。
こうしよう。
ラ行 連絡心型−黒色に共鳴。

そんなとき、だしへに来たような新聞の記事が目につく。
「私たちに、花の色がみえるのは、花びらに当った日光がはねかへってきて、私たちの目にうつるからです。
太陽の光線をプリズムにあて分散させると、虹のような七色に分れるとほり、日光にはたくさんの色がふくまれてゐます。赤い色は、日光のもつ色のうちで、赤い色の部分をおほく反射するために赤く見え、黄色の花は。日光の黄色の部分を多く反射するために黄色く見えるのです。
また白い花は、日光の色の全部を乱反射するために白く見え、黒いものは、日光の色が全部吸収されるために黒く見えます。
ところが。植物に、真っ黒い色はありません。
黒ユリや、黒いチューリップなどのように、黒っぽい花はありますが、これは両方とも濃い紫色です。
黒豆の皮も水で煮ると紫色がでてきます」
色は日光につながる、とをしへてある。
色が光線とつながるなら、心型も日光とつながるとおもふことになってきた。
男は、これまでに当ててみた、心型と色とをならべてみつめる。

受けいれる力行 心型    (貯入色)  黄
堂々二コニコサ行 心型   (基本色)  桜
進みとる夕行 心型       (進出色)  橙
えらび分けるナ行心型     (分化色)  緑
心を広げる(行 心型       (希望色)  青
内をまもるマ行 心型        (防備色)    赤
集め抱へるヤ行 心型      (情熱色)    紫
連絡をするラ行心型         (社交色)   黒
整理をするワ行 心型       (逃亡色)   灰

男には、自然のうつりかはりがながれだした。
春の山野が緑から黄へとうつる、果実が緑から黄へと熟して行く。
このとき心の中に、「四緑.五黄」とゆふ声をきいた。

サクランボや梅やイチゴなどの実が、黄から赤味へうつって行くのに気づくと、「七赤.八白」とゆふコトバがでてきて、それから景色は、ブドウの実が熟しはじめるころの、山野に紅葉の紫色がおほくなってくる。
「ああ.九紫、と言ったナ」
たどりついたように、一白二黒三碧四緑五黄六白七赤八白九紫、の文字のところへきた。
 
男は.あわてて二、三冊の本をめくる。
平田内蔵吉氏著(光線療法)で次の記事をよむ。
男の頭の中は、グルリと百八十度の回転をはじめた。

男は、すぐに、心型が共鳴した色をここに当てて、太陽の光線と色と心型、のつながりをつくってみた。
どうしてこのように当てることになったか、とゆふわけを、ここでは、くはしくのべないことにする。
それは、このあとに出てくる例のなかで、検討してみよう。
太陽の光線と色彩と九心型とが、どのようなつながりの例をみせるかによって、男の「童話」を判断するほかはなかろう。
ともかくここに、男のならぺた、太陽の光線と九心型とのつながりを示してをく。
だが、これはよくのみこんでいてほしい。
このあと男は、色と九心型と日光とのことを、綾織りにして語るが、その基本は、つぎの区分から出発してゐる。

 

男のかんがへるのは、物理的な関係ではない。
心体の関係なのだ。
これをみてゐると、これもまたうまく理屈をつけられるのが、いくつもでてくる。
前記の光関係と合せて見よう。
アカサタナ(ヤヤラワの十行には、それぞれ五段の質があったから、一白二黒三碧四緑五黄六橙七赤八白九紫の九光を(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ) の五段の組をあはせてみる。

ア段は、
 心組  ハ行  ヤ行
 色組  三 碧  九 紫

ア段を、「 希望ひろがる心と、  抱へる情熱の心」の段としてゐたのに、光では、「青い色の希望と、紫色の情熱」の組にならんだのだ。青色と紫色は近いではないか。

こんどは.イ段が、 心組だッたから.これに、光りをあてたら、
イ段は、
 心組 サ行  ラ行 
 色組  八 白  二 黒

心型を、(完全の心)としたし、心型を、(中立、社交の心)としたが、光りでも白の(無限色)と、黒の(中立色)とが組になツた。
目を白黒にさせたとゆふから、白と黒も、色としての組となるのではないカ。

ウ段は、 心組の段だツた。
貯入心型を、(黄色)とあはせたし、 分析心型を、(緑色)にあはせたが、光と心型でも、おなじにならんだわけだ。

ウ段は、
 心組  カ行  ナ行
 色組  五 黄  四 緑

 ウ段の、(貯入) (分析)の段は、光りでは、「黄色の貯へる色、と、緑の代謝はげしい生育期の色」とならんだ。黄と緑は、色でも近いとおもふ。 
    .
 エ段を心組の段とした。
進む心は、(橙色)とあはせたし.守る心を、余色)と、あはせたのだった。
それが、光りと心型でも、そのように出てきたではないか.
エ段は、
 心組 タ行   マ行
 色組  六 橙  七 赤

夕行進む心型を、六白(橙)にあてたのだし、マ行守る心型を、七赤にあてたのだが、これも、期せずして.心組の(エ段)とならんだわけだ。
赤と橙、も近い色ではあるまいか。
のこったのは、ワ行 整理の心型にあてた、一白(灰白)になる。
オ段を、 整理心の段としてあったから、光りからは、一白(灰白)がここにくる。
オ段は、
 心組  ワ行         
 色組  一 灰色         

一白を灰白としたが、人も、ブルブルふるへて身の毛も立つような嫌さから逃げるときには、灰白にちかくならないかナ。
 心型5組と光色5組
 (ア段)
(三)碧(青)
(九)紫
(イ段)
(八)白(純白)
(二)黒 
 ウ段
(五)黄
(四)緑
エ段 
(六)白(橙)
(七)赤
 オ段
(一)白(灰色)

ア行を、()発出心としてあツたが、まるい太陽の光りがこれにあてられて、その光りを分けてみたのを、気力としてながめたとき、一白二黒三碧四緑五黄六白七赤八白九紫の九光色にみつけられる、としてみたのだ。
この気力が、カサタナハマヤラワの九行の心型の性質と、色の組もそばへ来たように並んでみえてゐる。

農業委員選挙の結果は、部落推選の候補が上位当選した。
晩秋であツた。
男は、村議、町議、市議、道議、府議、そして国会議員をかんがへた。
「これらの議員は、いツたいどんな心型の色の光りをかがやかして.議場でアカサタナハマヤラワの声をさけんでゐらッしャるのかナ」
 
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