太陽魔術                                                                               

 くちびる(唇)とカ行
<コメント>
受容する 心型は、カ行の声をだ発するといいます。
買う、聞く、、来る、気配 乞う。
これらの言葉には受容の心を感じます。
でも、蚊、木、苦、毛、個はどうなんでしょう?。
蚊は受入れたくなくても来るものではありますが・・・・・。
私にはわからない事が多いです。


コトバの話の後には唐突に、以前お金を借りに来た中学生の後日談へと続きます。
息抜きでしょうか。
父の文には時々無関係と思われるシーンが突然出てくるのです。


神話では、生命光体が、太古のはじめにこの地界へきて、ものごとを迎へる、受けいれるときは、Uの心型になったとした。
それは、耳腔や口腔や、または各臓器の受けいれる形や膣腔や、掌に物をうけるとき凹形にへこませる形や、にもあらはれた。
この、食べものを受けいれる胃の形をつくる、U迎入心型が声をだしたら、(男は、凹の字、コの字、Cの字、Gの字、などに、受けいれる心の示しなどをかんがへようともしてみたが、しばらくかかって、あなの形をつくるようなU迎入心型は、カキクケコKCGQ系統の声をだすとみてきくこととした)だから、力行系統の声には、「迎へ入れる。受ける。貯へる。引きこむ。受動的、温和、食ふ、呼ぶ」などの感情が基本的にはあろうとしてみた。

男は、これまでのように、力行のところでも、来る(COME)、とは、「(ク )迎へる(ル )こちらへ」のことかナ。
COMEとは、『(C )迎へいれるほうへ(M )うごきをおさへる」と出てくるナ。
食ふ(TADE)とは、「(ク  )入れる(フ )ことをひろげる」とみえるナ。
または、TAKEとは「(T)とり、(K  )入れる」ともなるナ。
噛む(CHEW)とは、「(カ )(ム  )中へおさへる」となる。
CHEWとは「(C )入れて(H  )ひろげて()それを一つにまとめる」と出る。
など、おもひつくままにひろっては捨てることをした。
そのうちに、「空」とは、「いっぱい入れてゐる」ことだナと気がつく。かラッポとは、 の中がいっぱい入れられる「空」をもってをる姿だ。
そこへ何かがはいったら「空」がせまくなる。
口のなかも食べものをいっぱい入れられる空席をもつわけで、 の形の中は「豊富」なのだ。
だから、 迎入心型の声とみた力行の感情には「豊富」のイミもあろうとした。ゴッソリ持ってきた、を、『(ゴ )入れて入れて豊かに(ソ )並んだ(リ )左右」のものを持ってきた、と出してみる。
たくはへる(貯)とは、『(夕)とり(ク )入れて(ハ( )ふくれ(へ )ひろがる(ル )左右」のありさまになったし、加はった(変)とは、『(カ)はいってきたものが((ハ )元の形からはなれてしまった(ルー)左右、ありさま」になって出てくる。

「日が暮れる」、日がくれるとは、日が「(ク )引いて(レ )一方から(ル )他のほうへ行ぺ」ことだと、をしへられるような気がする。
ちかい(近し)とは、「(チ)進みが(カ )受けとるほうの(シ )状態」だと言ふし、この反対の、とほい(遠し)は、(卜)進みが(ホ )そこから離れ去って行ったほうの(シ )状態」だと、コトバの声の字のつづりが、言ってきかせる。
また、くちびる(唇)とは、「(ク )受け(チ)とりに(ピ )ひらく(ル )左右」なのだと語りかけてくるのだ。

正月に二千円をかりて行った中学生の親である「元やくざ五十男」が、−と△とをあはせた顔型で、まじめに、腰をひくく、のそりと男の部屋へはいってきたのは、春のなかばだ。
正月の手紙のとほり、足をいためたためだろう、片方を立膝のまゝで「ぶちょうほうですが、ごめんなすって。あの節は正月早々ごめいわくをおねがひしまして、たすけていただきました。お礼バ申します」
と、頭のさげ方が高い。
「どうしたネ」
「ハイ。新聞でもごぞんじでしょうが、わしが消防団から表彰されましてネ」
と、みじかい自慢のあと、
「えらいご馳走になりまして、かへりは暗い晩でしてねェ。フラリフラリと、まあ、どうにか我が家あたりへきたナと、まがったとたんに、坂からズルズルーッとすべったいきほひで戸にぶつかってサァ、いやはや、ガラスの中へ首をつっこみましてねェ。
そこが隣の家の玄関で、そのときに辷ったはずみでしょう、あとで、膝の下のほうの骨にヒピがはいってゐましてネJ
「首にはよくケガしなかったネ」
「すこしキズがつきましたサ。」と、そこをこともなげにまはしてから「実は、こちらさまから拝借の金子には、そのほかに、用途があったので」と、この「元やくざ五十男」、なかなかの話術家だから、ここで、たくみに声をひくくした。
「この二月が、死んだ家内の七年忌にあたりましたんで、家内の法事もできねえようでは、親戚からもバカにされますし、いまの家内や子供には肩身のせまいおもひをさせたくないとかんがへましてネ。
こちら様なら、たしかに助けてくださるとみこんで、子供の使ひとは気がひけましたがネ。
なにせ、あるくことができないんでサ」と、打ちあけてくる。
聞かされて男は、やくざの見栄もいいとこだなア、と、のびのびした心持になってほほゑんだ。
「あと、ニケ月もしたら、キット、カベぬり仕事をしにきますワ」
と、「元やくざ五十男」は約束をし、肩巾をいからせてピッコをひきながらかへって行った。
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