太陽魔術                                                                               

 に(肖)顔と ナ行 
 <コメント>
分ける、分析する、選ぶなどの分析心は の形。
ナ・ニ・ヌ・ネ・ノの声を発するといいます。
この部j分はタイトルも内容も非常にわかりにくく、こじつけの感を否めません。
私には理解しがたい箇所ですので、コメントは控えて原文だけを紹介させていただきます。


神話では、太古のはじめに地界へきた生命光体が、くるものを選びかけるときにはの心型になったとした。
やがて、この心型は聴覚や触覚や各臓器にも、くるものをえらびわける作用としてはたらいた。
この、舌が味をえらびわけるようなときにはたらく心型が声をだしたら(男は、ナの字、ヌの宇、Nの字、などには、一方から分けて入る感情の示しがあるのではなかろうかなどとかんがへてもみたが、やがて、この、要、不要をえらびわけるV分析心型は、ナニヌネノN系統の声をだすこととしてきくことにした。
だから、ナ行系の声には、「分けて入る、別の形になる、化入する、同化する、一諸になる、くぐりぬける」などの感情が基本的にはあろうとした。

とをあはせた顔型の詩人は、水がはりにウ井スキーをたのしみながら男の話を耳にしてゐる。
「君.ナニを言ふのか」とゆふ、この、「ナニ」の声は、分析する心の声、とおもひましたヨ。えらぶ心の声だとおもひましたヨ。
耳に音がはいってきたら、高いとか低いとか、男の声とか女の声とか、分析するでしょ。
私はねエ。生命がはじめ、この世へきたときに、くるものを選んでみるときは、入ったり出たりする形、はいって行って中をくぐりぬけてでてくる、ちょうど波頭のような、三角形をしたの字の心の形になる、としてみたのですヨ。
股が分れる、幹から小枝がわかれて出る、分けるときの心は、の形になるとみたのですヨ。
この、ものをえらびわける型の心が、声をだしたら、ナニヌネノN系統をさけぶとしましたヨ。
選ぶときには、それに分けて入って、中をくぐりぬけて、どっちかへでてくる、この、分けて入って、それと同化して、くぐりぬけて、前形とはちがった形になって出てくる、この感情を、ナニヌネノの声がさけぶとみたのですネ。

話をひとくぎりつけてから「猶、このつぎには」とゆふときの「なほ」の、このとき「ナ」も「そこでくぐって」とか「わけて入って」とかの心ぢゃないかとみるのですヨ。
そして、「ナホ」の「ホ」は、「あらはれてくる心の声」とするから、「ナホ」とゆふ声には、「(ナ )ここで分けて入って、別の形になって、(ホ)あらはれ、ひろげて行く感情」がみえると、なったんですネ。
「猶.これから」とは、『(ナ )ここでくぐって、別の形になって.(ホ)あらはれて出る」とみえる心の声になりましたヨ。
ナニヌネノの声は、 の心型の声で、「分けてはいる」とゆふ感情をさけぶとなったんです」

「いいだろうネ.ナルホド」
まだ思案してゐる詩人の声には、清い水のような透徹さと、琴の音を次の間にゐて聞くようなぬくもりとの、ひびきがあった。

「だから「ナニか」とゆふのは、「(ナ )分けて入って、(二 、えらび分ける」感情の声、と言ひましたヨ。
「おなじ(同)の「ナ」も、そこへ分けてはいる心、となったし、なか(中)の「ナ」も.分けてはいる、ことになりましたヨ。
おなじの「ナ」、顔がにてゐるの「二」も、ナ行は「分けて入る、それと一諸になる、くぐってはいって出てくる」感情の声としてみると、姉に肖てゐる、とゆふのも、「(二 )分けてはいったような」顔だとか、姉に.『(二 )くぐって入入って、一諸になったような」顔だ、と、なってきたんですヨ。」
 
詩人は、ウヰスキーをのんでから、澄んだ瞳をキラリとみせて.ゑみをうかべて、まっすぐに男へそそぐ。
「電気アソカのコードについてあるスヰッチ(SWITCH、と、Wがあるから、ワ行の字で、スヰッチ、と書く)に、0FFと○Nの字がありましてネ。
僕には英語がわからないから、Nはナ行で「分けて入る方」とみてONを押したら、電気が入って、つきましたヨ。
ハ行のFを「離れ去る心の声の字」とみて押したら、電気がはなれて消えましたネ。」

男は子供っぽい解釈をしてから、『私は、生物の心型は.九つある、と、おもったのですヨ。
ホラ、手にもこのように、にぎる 型.ひろげる 型、受けとる  型.ものをえらび分ける 型、相手とつながる 型、突く型.集める 型、なげすてる 型、手をあはせる 型、これで九つですヨ。
この九つの型をあはせて手はうごくとおもひますヨ。
そのほかに形があるとすれば、それは九つのうちの、いくつかを合せた型でしょう。

アカサタナハマヤラワ五十音も、ア行の母音をぬくと、九行でしたヨ。ンの音は、NやMやその他の音を鼻からだしたものとみますネ。
いろいろやってゐるうちに、太陽の光線の数と、アカサタナハマヤラワのの十行と、人体の構造と、九つの心型とが、タテの線でつながってしまったのですネ。
生物は、人間は、太陽の光線から一歩も外へでられなくなってしまひました」
「太陽の光線まで行けば、ホソモノだネ」と、詩人は、はじめて、しっかりした答へをだした。
この詩人はまもなく、自ら悔ひもせず早逝してしまったので、男にとっては知己の一人をうしなったことになる。

男は、よくこの歌をしのんでゐる。
 
氷点下、心奥の火を、燃えたたす
         
斉 藤   伝
                             Next          
inserted by FC2 system