男女おとぎばなし | ||||
<コメント> 万物は9の心型からできている。 男も女も9心型が内在しているが、静の心型と動の心型に分けられれる。 男はに代表される能動的な動の心型が外に現れている。 男の身体の凸器はその象徴である。 しかし男も内には静の心型を秘めている。 女は心型に代表される受動的な静の心型が外に現れている。 女の身体の凹器はその象徴である。 しかし女も内には動の心型を内在している。 およそ自分にないものと共鳴まることはできない。 男は内に心型を秘めているからこそ、女の身体の凹器すなわち心型に共鳴し、 心型の象徴たる凸器をそれにすすめて、静と動を一体化させて原心体へ帰ろうとするのだ。 |
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また年があたらしくもどってきて、その晩春のことだ。 (元やくざ五十男)がハダシで息せききってはしってきた。 はずむ胸のうへで、目をむいて、もどかしそうにしらせる。 「大将、たのみにきた。ゆんぺの夜なか、やくざ山本が、若夫婦の家さ、マキリ持ってチョッ卜外まで顔かせときたんで、わしがなだめても、なんとしても引かねエ。 部落の若者たちが、寝てたのおきてきてとめにはいったが.、これも絶対きかねェ。(マキリは形の小刀) (元やくざ五十男)が泊りこみで仕事をしてゐる家へ若いやくざがま夜なかに、何かをふっかけた、とわかった。 「いまもゐるのかナ」 「いや。いまはかへったがネ。こいつは、たしかにまたくるョ。大将でねエと、をさまりがつかねエとおもひやしてネ。 おねがひにきたアネ。たのむネ。」 男がその家へはいってみると、妻君はまっ赤な顔をして童子をだいて、夫は血がひいてまっさをになって、コドモもふるへてゐる。 男は「けよふは、君たち、うちへきてゐればいいヨ。まあ、すこし冷してからだナ」 と、おほらかにさそったが、その日は何事もおきはしない。 山本のところへは明日行ってやることにして、時間をかけてみた。 男は、この地界に静かな日と風の日とを見てきた。 晴れの日、曇りの日、そしてまた凪の海、荒れる海を見てきた。 また、昼と夜があるのを、このあたりまへのことをいまとなって見なほすところにきてゐた。 この静動の現象へ、すすみでた心型と、それを受けた心型との、わかれから.男心、女心.がみえはじめた。 これもまた男が追究してきた行手へ、とうぜんのように現はれたのだ。 このことは以前の「静と動」のときにみつけてゐる。 九つの心型には、外象へ力をすすめて行く心型と、外象を受けてしたがふ心型とがあった。 外象へすすむ心型は、すすむ心型と.ひろがる心型と、あつめよせる心型と、それに堂々不敗の心型と、両方をつなぐI連絡心型とだ。 (希みをひろげる)、(かかへ集めようとする)、(共存。原体。実質。理想。完成)、(つながる)(進みとる)、この五つが、外象へと、すすむ心型群になる。 拡大 集抱 原体 連絡 進取 この五つをながめてゐたら、これらの心型群がひとりでコトバを出して連結したのだ。 このように男にはきこえてくる。 「(希みをひろげて)、(それをかかへ集めようと)(それとの共存のために)(つながろうとして)(すすむ)」と、よめたのだ。 これらの心型は、外象へむかって能動的なものになる。 これが。男心型の先頭へでてくるのか。 「理想へ、つながろうと、希みをひろげて、それに熱中して、進む」この心体が男心にちがひないナ、と、男にはなった。 それなら、外象へ順応する心型、としたほうは、どのようなコトバをきかせるだろう。 男は、受けいれる心型からみて心組の、(受けたものを、えらびわける)それと、(その雑をすててまとめる心型)それに、(力を内におさへて守る心型)の順にならべる。 迎入 分析 整理 守備 この四心型をよむと.こうきこえる. 「U受けとって.それのよしあしをえらんで、いらないのをすてて自分のものにまとめて、それをしまって守る」と。 こうなると、このさけびは.女ごころの芯ではないかとでてきた。 生物には.十の心型よりないとしてきた。 地界には動と静の現象が軸だとみえた。 男にとって、男心の配置はこうなった。 「希望をひろげて、それを集めかかへたく、その理想につながろうとして.進取して、 受け入れたものを、えらびわけ.自分の必要だけにまとめて.それを守る」となったのだ。 進取するを先にだしてもおなじだ。 、 、(男心) これが.男心型の基本的な、心の体.としてあらはれたものだ。. 女心型の基本的な.心の体、は.こうなる。 「くるものを受けとり、そのよしあしをえらびわけて、W自分にだけ必要なものにまとめて、それをしまって守り、自分とおなじものへ、つながりたい、希望をひろげて、それに心をよせて、すすむ」 、 (女心) 動物にも植物にも。九つの心型は回転してゐるとした。 男にも女にも九心型は回転してゐるとしてきた。 男心は、心型を面へだしてゐた。 躰では、凸器が外にででゐた。 が、心体のなかには。受けいれる(迎入)心型をかくしてゐる。 男は、その心体の内部にかくしてゐる心型を、女の肉体のそとにある凹器にみつけて驚喜した。 男は、自分の内部にもってある心型を、女の凹器とゆふ外形にみつけたとき、自分にも外形にある凸器をそれにすすめて(進取)と(迎入)、動と静との一致を完成させて原体の心体へかへろうとした。 およそ自分にないものと共鳴まることはできない。 男の内部に。受けいれる心型があるからこそ、女体の外に凹器をみつけて共鳴し、動につくられた(進取)心型の凸器を、静につくられた心型の凹器へと入れて行く。 原心体へかへりたいのだ。 原体心が、動と静の地界現象のために、進取心型とU受容心体とに、割られてしまった。 男女はととをあはせて、もとの原心体にかへりたい。 男の原理は、およそ自分にないものと共鳴することはできない、とすることだ。 だから。凹器を外にもってゐる女体も、心体の中には、すすみとる心型をもってゐる。 その自分にあるその心型を、男体の凸器とゆふ物体にみつけて共鳴して、それを自分の物体の凹器にとって入れて、内外 一致し、の原心体へかへろうとする。 「太陽がまはってゐますからネ。 暑さと寒さができるでしょうヨ。風の日と凪の時とが回転するでしょう。 静と動とがぐるぐるまはってゐるほかはないのぢゃないのですか。 静と動との雌雄交配の図も男女愛憎の図も、太陽の回転といっしょになってまはらされるほかないとおもひますネ」 とする男のおとぎばなしだ。 |
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