わゐうゑをと性(その4) |
性感にうごきまはる アカサタナハマヤラワの叫びごゑは、人が地上生活でさけびまはツてゐる声の感情と、つながッてゐるとみるのサ。 人は、躰にある構造から出てくるもののほかは、あらはせないんぢゃないのかナ。 男と女が生命体をやりとりするときに身仕度する性感帯の歌ごゑは、全くその質を変へて、日常生活の現在意識でも声たかく歌ッてゐるものと、きくのサ。 たとへぱ、 (拡大) 膨張は、欲望や希望や想像や空想や企画や計画や、でもあろうネ。 これはひろがる心型のハヒフヘホの声としたヨ。 (集抱) 熱血は、熱心や熱中や夢中も情熱や集中や把握や、でもあろうヨ。 これは 集め抱へる心型のヤイユエヨの声とみたヨ。 (共存) 共に並ぶ、相手は、共存や同志や愛や親しさや和合や一致や、でもあろうし、これは 原体が中心同一に共存する心型のサシスセソの声ときくネ。 (連絡)つながる、連結の声、は、社交や仲介や外交や交歓や交際や共鳴や離反や離婚や、でもあろうヨ。 離婚はつながらなぐなるけれども、関係が反対面に連結するからネ。 これは 一方から他のほうへ、連結する、正反対、の心型のラリルレロの声とみたヨ。 (進取)進むとき、または隆起する、の声は、進出や攻撃や進行や占領や先手や直立や実行や、でもあろうネ。 これは進み取る心型のタチツテトの声とみたのサ。 (守備) 固くなる、堅固の声、は、守備や防禦や剛情や頑固や怒りや自信や、でもあろうヨ。 これは 力を内にこらへる心型のマミムメモの声ときこえたのサ。 (迎入) 入れる声、は、許容や承諾や追従や受動や安心や飲食や就職や、でもあろうナ。 これは 迎へ入れる心型のカキクケコの声とみたヨ。 (分析) 出し入れする声、は、選別や探究や批判や分析や検討や取引きや、でもあろうか。 これは あれこれ選びわける心型のナニヌネノの吽びとみたヨ。 (整理) 整理して縮む声、は、終結や完了や休憩や眠りや排訴や逃亡や孤独や、でもあろうサ。 これは整理して本来の我れにかへる心型のワヰウヱヲの叫びときいたのサ。 小我の凸器は一瞬のあひだにアカサタナハマヤラワ五十音の歓声をあげて破裂するけれども、その、よろこび、たのしさ、うれしさ、いきほひ、を、うすめ引きのばした生命の十心体のうごきが、人生の日常のなかに、ゆッたりと波うってゐるときこえたのサ。 男が生命体を排泄するときには、進む心型が先頭へでて爆発してとばすが、女が生命体を迎へいれるときには、 迎へいれる心型が前面へと出て被爆をあびて満足感にくづれる、とゆふ、風と凪の、静と動の現象の声がするはずだと耳を立てるのだヨ。 だから、進みとる心型を先頭へだして爆発する男の性感を、迎へいれる心型を前面へだして風になびいてくづれる女が、体感することはできない、と、したのサ。 それとおなじに男が、女感を身につける方法はない、と、きくヨ。 男を動物の声ときくが、女を植物の声に見るのサ。 男体も女体にもアカサタナハマヤラワの心型の声は回転してゐるけれども、男と女とでは。その組み方にちがひがあッて、男は動物の声をだし、女は植物の声をだす、ときくのだヨ。 女は、迎へる、引いて行く心型が前面にでるから、風にゆさぶられて体をくねらせる樹木が、「浮くワ、散るワ、折れるワ、落ちて行くワ、死ぬワ、どうもありがとう」と、おまかせする恍惚の極限にむせんでたほれる歌をうたふと聞いたネ。 これは、まったく男には体感することのできない歌だろう。 僕がなぜ、こんな話を初めに出したのか、と言ふと、僕は、感情体かなづかひ、で、つづるからだヨ。 これは現代かなの前の、いまは歴史的かなと言はれてゐる血筋だが、僕は、感情体かなづかひ、に、快感をおぼえるのサ。これは男の進む心型のかなづかひとおもふヨ。 手や足や唇や目や皮膚やの、躰からはなれた外のものをとりに行く(進取)進取心型のかなづかひとおもふヨ。 僕は、いまのかなづかひの快感がわからないのだヨ。 これは女の(迎入)引き受ける心型のかなづかひではないかナ。 または、肺や胃や心臓やの、きたのを受けとる植物心かなづかひではないかナ。 その快感が、僕とゆふ動物にはわからないヨ。 僕は、躰から外のほうへ進んで行く心型かなづかひとみる、感情体かなづかひ、を使ふからネ。 これに快感をおぼえるネ。 話を、はじめにもどして、ワヰウヱヲ整理心体の声からみつけることにしよう。 まづ、男には男の感覚がある、とゆふことから、言ひたかッたのサ。 女感は女感でいいものなのでしヨ。 |