五十音感情考 |
声の感情を考へてみるのはそんなにむづかしくないヨ。 ア行AIUEOを、発出音と感じたから、「感嘆、感動、出発、初め」などと出てきたし、はじめてのものから受ける「恐怖、襲はれる、降下の心」などの心にうつツて、それが逆に「尊敬、偉大」を感じるイミにもなろうとネ。 また、発出する心は「ひらく心、童心」にもつながろうとゆふふうに推理して行ッたのだヨ。 の心型が力行を叫ぶ、ときくと.の形は耳のあなや口腔だから、「入れる、迎へる、受けいれる、引く、呼びこむ」などの感情とみてネ。 受け入れるのは、「受動、温和」ともなろうし、また、受けるのは、「貯へる、豊富」のイミもあろうと、みたのサ。 原体の心型がサ行を叫ぶ、と、きいたら、目玉や血球や卵が、の形だから、は、ものの原基の形、とみたからネ。 「基本、原体」の心になツたヨ。 このの中から、いろいろの形がでてくるとみえたので、には「共存、仲間、相対する、共鳴」がはいッてゐるとなたヨ。 は、すべての形の基本とみたら、生物の中心には、同一にこのがはいッてゐる、と、なッてネ。 「常に己と共なるもの」へ叫ぶ声ともなッたのサ。 を基本としたら、それは、「実質、現実、状態、姿、物、事、量、ことがら、ありのまま、そのとほり」などと、つながッて、サ行の、声の感情、を、きくようになツたのだヨ。 進取の心型が夕行をさけぶ、と、きこえたネ。 の形は、爪や犬歯や鼻先や亀頭やとみると、「進んで行く、一点一点を占めて行く、占拠する、取る、奪ふ」などから「前進する、突出、出る、直情」などへもイミがうつツたのだヨ。 分析心型がナ行を叫ぶ、と、みたら、これは、舌や肺やのように、ものを右に左にえらぶ心の声ときこえたので、ナ行N系の声には、「分けてはいる、それに同化する、一色化する、化入する」などから、「くぐりぬけで、別の方へでてくる、別の形になる、前形が消える。出入りする」などの感情をきくのだろうと、なッていツたネ。 拡大の心型がハ行HBPVF系を叫ぶ、と、きこえたら、これは「ひろがる、ふくれる、ひらく」はたらきを、瞼や唇や皮膚や内臓のひろがる姿にみて、「八方へとひらいて行く、心や行ひをひろげて行く、中心からはなれて去ッて行く、刻々とかはッて行く、表面化をつづける」などの感情をさけぶことになる、と、きいて行ッたのサ。 守備の心型がマ行M系を叫ぶ、とみだら、これは骨や歯や頭蓋骨やの、ささへる力、守る力の心の声としたから、「守備する、力を内にこらへる、力が内に回転する、動力、うごめき、おさへる、こらへる、外に抵抗する」などの感情と、推理して行ッたのサ。 集抱の心型がヤ行Y系の声をだす、と、おもッたら、これを、抱きよせる腕のかまへ、食べものを集める唇の形などにみて、「集め抱へる、集中する、熱中する、よせる、情熱」などの感情をだすだろうと、きいたヨ。 連絡の心型がラ行LR系の声を出す、としてみたら、これは神経系や食道系やのような長い心のはたらきとみたので、「つなぐ、連絡する、一方から他方へ、右から左へ」などの感情を考へ、それをすすめると、両端が対面にもなるから「正反対」のイミも叫ぶ、と、したのサ。 整理心型がワ行系の声をだす、と、したのは、肛門や嘔吐のときの形が、Wの宇にもにてるとおもツたことにもよるからネ。 排泄するのは、「自分がすッきりしたい、雑をすてる、整理する、ととのふ」ことだとなッたのサ。 その働きは、躰の作用のをはりのほうにくるから、「末尾にくる、縮む」心もみえるし、また、雑をすてるのは「本来にかへる、元にもどる」とゆふイミも叫ぶ、と、きこえたヨ。 僕の考へは、なんのことはない、躰をくみたててゐると見た、十の心の形の、躰でのはたらきからながめたのサ。 その十の心の形の性質から、その叫びごゑをきいて、声の感情を、推定してみたにすぎないヨ。 これが、当たるかどうかを、やツてみるといいネ。 幼稚なのだヨ。世のなかのことは、あまりむづかしく考へないのがいいナ。 |